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久々の“Pleasure”(とGレコ)

数年振りに、真面目にフルで聴きました。

えっ実は“Easy come〜”とか“裸足の〜”とかの見守り系、めっちゃハクヨナじゃない!?
……と思い始めたら止まらない(º﹃º):.*
あと“ALONE”と“Calling”はとってもスウォハク。それは前から思ってました〜Σ(ノ≧ڡ≦)

こういう妄想、本当に楽しいです。
キモイと思いつつ止まりません 笑



それはそうと。
Gレコについて、御大がWAO!な発言をしてくださいましたので二周目行きます₍₍ (ง ˙ω˙)ว ⁾⁾
その前にラスト三話観直しましたが、ZやV的な精神疲労感とブレンやゲイナーを彷彿させる躍動感、ターンAのような美しいエピローグに圧倒されました……嗚呼。
初見時はジャブローと富士山でいっぱいいっぱいだったからな(´-ω-`)

ターンAのエピローグは幸福感と物悲しさが混在する感じでしたが、Gレコのエピローグは切なさと力強さが入り混じっていて、泣ける。色々乗り越えたんだな王子。
(でも、今更実は姉弟ではなさそうなアレは何なの?流石に王子が可哀想じゃね?それとも伏線?劇場版クル?妄想させたい?)

そっか……500年後か。
刻が未来に進むと〜ってやつか。
そういうことか。


あああ……また脳内がGに乗っ取られてしまう(本望)


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テーマ : 今日のつぶやき。
ジャンル : 日記

拍手コメントお返事です。

キキです今晩は!

ご来訪くださいましてありがとうございます。
拍手や暖かいコメントをくださった皆様、本当にありがとうございます。
とても、とても嬉しいです。幸せです。最高のご褒美です(´•̥̥̥ω•̥̥̥`)♡

これからも書き続けていきたいと思っておりますので、またお付き合いくださいましたら嬉しいです。


以下、拍手コメントお返事です。

8月24日00時45分に拍手コメントくださいましたKさま。

コメントありがとうございます!
勿体無いお言葉の数々、涙が出るほど嬉しいです。書いて良かったと心から思っています。
少しでも何かを感じてくださったのでしたら、こんなに幸せなことはありません。
遅筆ではありますが今後も書き続けていきたいと思っておりますので、またお付き合いくださいましたら嬉しいです♡♡


メアド記載で非公開コメントをくださった方々には、追って個別にメールさせて頂きますので暫しお待ちくださいませ。
お返事滞っており申し訳ありません、どうかご容赦くださいませ。


本当にありがとうございました!



月桜キキ 拝

テーマ : 拍手お返事
ジャンル : 小説・文学

緋龍城時代中心ハクヨナss 『愛なき道』 ハク独白。暗め。

長い長い道を、これからずっとーー俺は。





夜更けが近いにも拘らず尚ざわめく街の喧騒を何処か遠くに感じながら、通い慣れた路地をふらりと歩く。

夜の帳に覆われて久しいというのに、静寂とは無縁のこの界隈は些か品格に欠けるものの、それを補って余り有るほどに派手派手しい。
整備され舗装された路地。時折擦れ違う者達の身なりもまた、趣味云々を度外視すれば皆それなりに上質で、彼等のーーそしてこの区間の金回りの良さを伺わせる。

空都の花街ーー所謂歓楽街を必要とし支えているのは国の要人や貴族、軍属、中央の役人や豪商などの有力者や資産家、更には彼等の下で働く者達だ。単に金や酒や色を求める者、その者達を搾取し私腹を肥やす者、後ろ暗い取引に混沌とした瘴気に塗れたこの場所を利用する者ーー様々な思惑の入り混じった、人間の欲望と闇が渦巻くこの空間は王都でありながら外界から切り離された、まるで巨大な化物のようだ。
この土地の在り様を、群がる下賤な輩を冷めた目で観察しながらも己自身も紛れもなく化物の構成要素の一つなのだという事実に辟易し、俺は自嘲気味に嘆息した。

吹き抜ける夜風が容赦なく体温を奪う。思わず眉を顰めるほど寒いのに、躰の芯が妙に熱い。燻る焔の欠片を持て余した俺は徐に足を止め、下衆な化物のことなど無関心だとばかりに輝く無数の星を見上げ苦笑を洩らした。

脳裏に過るのは、無邪気に笑う見慣れた少女の華やかな残像。
舞のように軽やかな足取りに合わせふわりと弾む、緩やかに波打つ緋い髪が幻の如く眼窩に閃き、思わず瞼を閉じる。
彼女の面影を打ち消そうとした訳ではない。そもそもこの程度のことで打ち消せる筈もない。
躰の中心に篭る熱と、腹の底から湧き上がる衝動が不愉快だ。

ーーどうする。もう戻らねばならないというのに。

舌打ちを洩らしながら己の不運をーー否、迂闊さを呪う。正に身から出た錆と言うべきか。
馴染みの賭場でふと鼻腔を擽った、およそこの場所には似付かわしくない清涼な花の香。聞き慣れたその芳香は以前姫さんを連れて城下を散策した際に、この香が大層気に入ったと請われ戯れに購入したものだった。
王族ならば尚更のこと、貴族の娘が焚くにしても些か廉価に過ぎるその香を彼女は何を血迷ったか、特別なーーそれこそスウォンが登城するような事でもない限り、飽きもせず毎日のように焚いていた。

油断していた。

思いも寄らぬ場所で漂う、思いも寄らないーーあの人の匂いなのだと胸の内に刷り込まれていた芳香に、賭場の熱気と街の瘴気に当てられた躰が否応なく反応する。
どう考えても酔狂に過ぎる、いかにも年若い娘の好みそうな、まるで場違いな香の主になど興味はない。知りたくもない。

全身を襲う、ぞわりと粟肌立つ感覚を疎ましく思いながら苛立ちも顕に賭の席を立つ。賭金を放棄し足早に外への扉に向かった俺は、一度だけ振り返ると賭場全体を隅々まで見渡した。
賭博になど居る筈もない人を、それでも万が一を憂慮し捜す。どうか居てくれるなと心の底から願いながら。

この国で今最も高貴な身分の女であるあの人が、このような場所に居る筈がない。幾多の兵に護られた王宮の奥で、今頃は就寝前の時を過ごしているだろう。

だが、もし彼女がこの場に紛れ込んでいたら。何時もの下らぬ好奇心で俺の後をつけていたとしたら。
現実的には有り得ないことだ。あれだけの数の兵士や女官の目を掻い潜ることなどまず不可能だ。増してやあの姫さんにそんな途方もない芸当が出来るものか。
第一、この俺が彼女の気配に気付かねえなんてある筈がないだろう。

結局のところ姫さんの姿も気配も、その一欠片とて見当たらず、俺は安堵の溜息を洩らし賭場の外へと出た。冷々たる夜風が中途半端に火照った躰から熱を奪う。
有り得ない想像が想像のままで良かったと、心底思う。もしも今あの人が俺の前に現れたら、あの人にとって一番危険なのは恐らく他の誰でもなく、この俺だ。

ああーーこのまま夜を明かせば反吐が出るような身の疼きも凍て付いてくれるのだろうか。

「……最悪だ」

ぼそりと独り言ち、俺は再び足を踏み出す。
詮無いことだ。その程度で凍り付く焔なら、とうの昔に捨てている。

そうだーーこの感情も、慾も、総て理解した上で俺はあの城に居る。
覚悟は決めた筈だ。感情に蓋をすることなど容易い筈だ。

それなのに、この様は何だ?
こんなにも簡単に崩れ去る覚悟だというのなら、俺は何の為にーー

逡巡を繰り返しながら、花街の中央を突っ切る形で城の方向へと歩を進めていた俺は、差し掛かった十字路で交差する路地をちらと見遣る。この交差点を横に折れた先に並び立つのは、花街の中でも色事に特化した館だ。
幾度か通い記憶にも残る横道の光景に思い出したくもないものを思い出し、苦々しい気持ちで眉を顰める。

咽せ返るような、白粉と濃厚な香の匂いも。
館の娼達の、男の慾を掻き立てるような媚びた仕草も、競うように着飾った煌びやかな衣装も。
結局のところ総てが嫌悪の対象でしかなかったが、それでも何度か足を運んだのは己の感情と慾に対する折り合いと割り切りに他ならない。

何時の間にか俺の心の中心に居座り、だが決して手に入れることの叶わない存在が手を伸ばせば簡単に届く距離に常に居るという状況は予想以上にしんどいものだった。
専属護衛なのだからと彼女の寝室の隣に部屋を充てがわれ、昼夜問わず彼女の部屋の出入りが自由という待遇は正直理解し難いものだった。信用されていると言えば聞こえは良いが、彼女は王の一人娘で次期王の妃だ。国母になる女だ。国王としても父親としても、あのおっさんが俺に与えた待遇には疑問を抱かざるを得ない。

或る種の拷問のような状況に呑まれることを恐れ、俺はこの路地裏に通い出した。持て余す慾を吐き出すことに本来ならば娼の手を借りる必要などないのだが、彼女が壁一枚隔てた隣に居るという状況であったり、何よりその時己が誰を思うのかーー考えるまでもないだろう事実に、どうにも耐えられる気がしなかったのだ。かといって間違っても面倒事を抱えたくなかった俺は言い寄ってくる女官だの市井の女への手出しは一切せずに金で解決する方法を選択した。

刹那的な慾に身を委ねるのも一興と、それなりに割り切って楽しめたのは最初だけだった。
誰が相手だろうが、あの人の影がちらつくのだ。娼の姿や声や仕草の中に僅かな彼女の面影を見出しては後ろめたさと後味の悪さに苛まれ、努めて彼女の存在を娼達から追い遣れば、それはそれで吐き気を催すような不快感だけが胸に残る。

己の中の折り合いと割り切りが、義務へと変化するのに大した時間は掛からなかった。
これは俺の義務なのだ。専属護衛としての職務の一環だ。
ーー俺という獣からあの人を護る為の。

そうやって何度も己に言い聞かせてきたが、いよいよそれも限界らしい。
なあ、スウォン……俺はどうすればいい?

心の内で、親友であり幼馴染であり、あの人の伴侶として俺が唯一認めることの出来る男に問い掛ける。
脳裏に思い描いた端正な顔は、しかし柔和な微笑を浮かべるだけで何も答えてはくれない。


ーー気持ち悪い。吐き気がする。
スウォン、頼むから早く連れて行ってくれ。
俺の手の届かない場所へ、あの人を。


「……早く、してくれよ」

絞り出した呟きに答える声はなく、虚しく響く己の懇願は吹き荒ぶ夜風に巻き上げられるようにして巨大な化物の腹の中に呑み込まれていった。





✴︎





王城の奥宮殿に辿り着いた頃には夜営の兵士や女官を除き、皆既に寝静まっていた。

浴場で冷水を浴び身を清めた後、重い足取りで歩を進め自室へと向かう。隣の部屋を一瞥し、扉を閉め寝台に腰を降ろした途端、重苦しい疲労感が押し寄せ躰が傾ぐ。
急な眩暈と嘔吐感に襲われ息を詰めた俺の耳朶を打つ、聴き慣れたーーけれど聴き慣れぬか細さの声音。幻聴にも思えるような、俺を呼ぶあの人の。

「……姫さん?」

まさかと思いつつ、重い躰を引き摺り部屋の扉に手を掛ければ、乾いた音がやけに大きく静まり返った周囲に響き渡った。扉の隙間から覗くのは、回廊に掲げられた燭台の僅かな灯りにぼんやりと浮かび上がる、緩やかに波打つ緋い髪と白皙の頬。

「ハク……今、戻ってきたの?」
「ーーどうしました、怖い夢でも?」
「ううん……お前が、帰って来ないからーー」

甘ったるい声音と何処か不安気に俺を見上げる彼女の、まるで縋るような瞳に呼吸が止まる。
比喩ではなく視線も意識も総て奪われた一瞬の隙をつき、背筋をぞわりとした感覚が這い上がり、身の奥に沈めた筈の熱が再び燻り出した。

またしても油断した。いや、これは流石に不可抗力か。
何れにせよ意思とは無関係に熱を帯びる己の慾に内心舌打ちしながらも、俺は咄嗟に貼り付けた護衛の顔で誤魔化し努めて平静に問い返した。

その姿を双眸に映したくて、だが今一番傍に居たくない相手は薄汚れた俺の感情も慾も、更にはそれを封じる努力すらも嘲笑うかの如くするりと境界線を越えてくる。
当たり前の顔をして扉の内側へ音もなく入り込み、至近距離から俺を見詰める彼女の揺れる瞳にまるで捕縛されたかのように動けない。洗い晒しの緋い髪も蒼白く震える滑らかな頬も、夜着に上掛けを羽織っただけの無防備な格好も、まるで俺を試すかのようだ。
決して触れてはならないと痛い位に理解し腹に納めている筈の俺の心を正面から抉り、燻ぶる熱を乱暴なまでに煽り立ててくる。

だが、それでも身に篭る熱が辛うじて焔へと変化せずにいるのは、無防備な彼女の夜着に焚き染められた香があの花の匂いではなかったからだろう。
恐らくは眠りを誘うようそれを纏わせた誰とも知れぬ女官に感謝しつつ、遅くなってすみませんとぼそりと告げた俺を見据えたまま、この人は。

「ーーどうして」

今にも泣き出しそうな顔をして、白く細い指先で俺の頬に触れる。
ぴり、と頬から痺れるような衝撃が奔り肩先へと向かう。抑え付けた熱が今度こそ焔へと変わり全身を静かに焦がしていく。

駄目だ、止めてくれ。でないと俺は、あんたをーー

「姫ーー」
「どうしてお前、こんなに冷え切っているの……凍えそうだわ」

柄にもないか細い声で問うてくる彼女の指先がゆっくりと俺の頬を伝い、それから撫でるような仕草で水滴を重く孕む髪に触れる。

「髪も濡れたままで……水を浴びたの?ハクーー」
「っ、止めろ姫さん!」
「ハク?」
「俺に触るな!こんな、薄汚れたーー!」

堪らず声を荒げた俺に、ぴくりと細い指先が震える。だがそれも一瞬のことで、彼女は酷く悲痛な光を宿した双眸を潤ませ、あろうことか両の掌で俺の頬を包み込む。

「ハク、お前は汚れてなんてないわ。何があったかなんて訊かないけれど……きっと、私を護ってくれたのよね」
「ーーヨナ、姫」
「だから、泣かないで……ハク」

きっと、俺が賊か何かを斬り捨てたとでも思っているのだろう。何も知らない無垢な姫君のくせに、まるで総てを悟った聖者のような口振りで。

ああ……あんたこそが泣きそうな顔でーー

この震えは何だろうか。歓喜にも憎悪にも思えるような、昂揚感と苛立ちが綯い交ぜになったどろりとした感情が凍り付いていた我が身を突き動かす。

ーー気付けば俺の両腕は彼女の細い躰を掻き抱いていた。

もしも彼女が俺の突然の暴挙に怖れを抱き拒絶の意思を示していたら、そのまま華奢な躰を寝台に沈め無理矢理にでも暴いていただろう。それで任を解かれ遠ざけられようと、事が露見し死罪になろうと構わないとーーその結果風の部族に塁が及ぶであろうことを考えられぬ程度に、俺の思考回路は混乱する感情に呑まれていた。
だが、彼女は怯えるどころか身を硬くすることすらなく、俺の背中にそろりと両腕を廻し身を預けてくる。

ささくれ立った心を落ち着かせるような甘い芳香の中、囁くような声音が耳朶を打った。

「ハク、大丈夫よ。もしもお前が汚れていると言うなら、私も同じだけ汚れているの」
「姫さん……あんたは」
「だからずっと傍に居てね……ハク」

それから彼女は、まるで幼子をあやす母親のように廻した手で繰り返し俺の背中を軽く撫でながら、小さく笑う。

「大好きよ」

いとも簡単に繰り出される、心の何処かで渇望しながらも決して望んではならない、望むべくもない彼女の心の欠片。

勿論それは欠片に過ぎないのだと分かっては、いる。否、欠片どころかスウォンに向けられた思いとは別の意味を持つものであることも理解している。だが。

「姫、さん……」

ああーーこれは僥倖なのか、それとも死の宣告なのか。

崩れ落ちそうになる己を何とか押し留めながら、やっとの思いで俺は有難うございます、と呟いた。





✴︎





ーースウォン、俺を助けてくれ。
頼むから早く、俺からあの人を引き剥がしてくれ。





嘗ての俺の切なる願いは、最悪な形で叶えられようとしていた。

歩き慣れた風牙の道を、ゆっくりと踏み締めながら冴え渡る夜空を見上げる。闇に散る星々は、相も変わらず我関せずとばかりに無機質な光を放つ。

「さて、と。何処へ行きますかねーー」

清々しいほどの気分で独り言ち、瞑目し深呼吸する。腑が煮え滾るような怒りを抱えているというのに、自分でも驚くほど身が軽い。
俺に残されたものは何もない。総てをあいつが奪っていった。

手にしているのはこの身に馴染んだ大刀と僅かな荷物とそれから、何時かあの人が投げて寄越した心の一欠片。

「ーー遠慮なく頂いていきますよ、姫さん」

屋敷で穏やかな時を過ごしているだろうあの人へと、届く筈のない言葉を向けて一歩踏み出す。

その一欠片さえも決して手に入れることはないと思っていた、あんたの心。

それだけで俺は、生きていける。
俺は、何処にでも行ける。

ーーそう、思っていた。
もう二度とあんたをこの目に映すことはないだろうと思っていた、のに。

ああ、最後に一目だけでもと心の内で望んだことが仇になったか。

「一緒に来なさい」

まるで幻覚のように俺の前に立ち塞がる、緋い焔をその身に宿す女。
真っ直ぐに俺を見据える双眸に僅かなりとも迷いは感じられず。

何を言おうが退かないこの人に、勝てる気がしないどころか浮かれたような心待ちになるのはどうしたことか。
腹の底からぞわりと湧き立つこの感情は紛れもない歓喜の念。

ふと、あの夜の疑問が脳裏を過ぎり俺は知らず苦笑した。
あの時あんたがくれた言葉はどんな意味を孕んでいたのか。僥倖なのか死の宣告なのか。

結局のところ、そのどちらもが正解らしい。途方もない幸福感を噛み締めながら彼女を連れて踏み出すのは、間違いなく死出の旅路だ。



あんたを庇い、俺は何時か死ぬだろう。その時あんたは何を思う?


哀しんでなど欲しくない。
涙が見たい訳ではない。
感謝の言葉も詫びも要らない。
俺のことなど思い出さなくていい。

只、最期にほんの少しの笑顔とーーそれから、あんたの心をもう一欠片だけ連れて逝きたい。


それだけで俺は満足だ。

だからどうか俺が消えた後も、あんたは鮮やかに咲き誇れ。





酷く浮かれた気分を胸に、その頼りない白い手を強く握る。

やがて視界を染め上げる東雲を映し出したような、世界で唯一この俺を衝き動かす緋いあかい鮮烈な焔に灼き尽くされる日を只ひたすら思いながら。










『愛なき道』
愛のない 長い長い道をぶっとばしていこう















半年間躊躇いましたが、書きました。
精神修業中のハク将軍です。

姫に演技じゃなく「大好き」と言わせたくてですね。あっ勿論loveじゃなくてlikeですけどね!
それを分かっていながら、その言葉に命を懸けるハクさん。何てやっすい男なの……



タイトル、まんまでホントすみません。




テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

ちょっと召されておりましたヘ(0Д0ヘ)

凄く久々の雑記のような気がします(´-ω-`)
いえね、叫びたいことはいっぱいありましたけどね。どうにもネタバレしそうだったんでね。
一応、自重してました_(⌒(_'ω' )_

どうにも、このところの本誌展開に創作意欲を削がれているので、意欲を取り戻すためにも将軍時代のハクさんについて考えてみました。
(本誌のハクヨナが緋龍城時代を彷彿させるので……)

先生によると、将軍時代「全く遊んでいなかった訳ではない」ハクさん。
それを遊び人だったととるか否か。
先生の言い回しだと、否ってことになるんですよねー。
まあ少しは遊んだこともあったよ程度か。
てか、圧倒的に時間が足りないよね。交代要員が不在のSPって過酷過ぎる。パパにはハクさんのライフワークバランス、いやQOLについて真剣に考えて頂きたいと切に思います(。ŏ_ŏ)
てか、ハクさんて女遊びより男同士で騒いでる方が楽しいと思うタイプに見える。
勿論偉い人だった訳だし色々面倒な、所謂袖の下的なお付き合いとかお有りだったでしょうし間違っても未経験者だとは思ってないですけどね。明言されてる花街通いはあくまでも花街であって色街ではないとしても!
うーん、しかしやはり何度考えてもハクさん素人(ry

……てなことを半年近くループしながら考えていたのですが、ちょっとSSにする勇気が持てなかったのですね。暗くなりそうだし誰得話だし。脳内ではSSぽくなってたしタイトルも半年前から決めてたけども 笑
でも、このところの本誌展開に何書いても許されるような気がしてきた!
要するに、本誌展開に勝手に後押しされて半年近く躊躇ってた誰得話書きましたって話ですスミマセン。
あっ別に花街のおねーちゃんと遊ぶ話ではないですけどね!



テーマ : 今日のつぶやき。
ジャンル : 日記

ハクヨナss『en』 ヨナ、ハク、ムンドク他。ハク誕に寄せた未来話。

空が淡墨色に染まる季節。


彼方に見える山脈の凍土を無造作に覆う、深緑と燕脂を刷毛で散らしたような色彩も、重苦しくのし掛かる厚雲に滲む白藍も、荒涼とした大地に力強く根付く植物の僅かな息吹も、舞い散る粉雪に霞み、白々と煙る。
まるで視界に映る総てが薄絹に覆われたかのようだ。

大地が色彩を失いつつある季節を、ヨナは嘗ての幼馴染と共に彼の故郷である風牙で過ごす為に訪れていた。
数年前、総てを喪い心すら失くし掛けた彼女が翼の折れた雛鳥の如く庇護され皆の暖かな心に触れた場所ーー風の部族長の屋敷の一室で、当時と同じ位まで伸びた髪を気怠げに肩から払い、ヨナは布団から半身を起こした格好で障子を開け放ち雪景色へと変わりつつある光景をぼんやりと眺めていた。

舞い降りる白銀を煌めく紫紺の瞳に納めながら、大丈夫だろうかと仲間のことを考える。きっと皆山積する仕事に追われ、忙殺されている筈だ。
やるべき仕事は沢山ある。個人ではなく皆で何かを為すということは、その規模が大きい分簡単なことではない。

「姫さん、入りますよ」

ほう、と白く煙る息を洩らしたヨナの耳に、聴き慣れた低い声が不意に届く。うん、と返せば軽くざらついた音が乾いた空気を震わせながら襖がゆっくりと開かれた。

「ーー何やってんすか、あんた。風邪引きますよ」
「この位平気よ、布団だって暖かいもの」
「子供みてえなこと言ってんじゃねえよ。あんたに何かあったら俺が『お母さん』に殺される」

それ以前にジジイに殺されるわと苦虫を噛み潰したような顔をして、ハクは大股で窓際へと向かうと無造作に障子を閉めた。

「心配症なのね、ハク」
「……普通だろ」

呆れたように己を見下ろすハクへと小さく笑い、ヨナは肩を竦めてみせる。

心配症なのはハクだけではない。せめて何処ででも出来る仕事をと申し出た彼女に、この冬だけは何も考えるなと半ば強引に風牙へと二人を送り出したのは、ハク曰く『お母さん』であるところのユンだった。

「なあ姫さん、本当に冬だけでいいのか?別に業務の中心を風牙に移転してもーー」
「春になる頃には落ち着くってユンが言ってたわ。それにしても珍しいわね、ハクが基盤の移転だなんて経費を無視した提案をするなんて」
「人を守銭奴みてえに言わんでくださいよ」
「あら、違ったの?」
「あんたなーーっと、じっちゃん……ムンドク長老が今夜の宴会の準備にやたら気合い入れてんすけど、出れますか?」

戯けた口調のヨナに対し、ハクは大袈裟に肩を落とすと思い出したように問い掛けた。実際のところは話題の転換といった目的を兼ねているのだろうが。

「うん、少しなら。ムンドクはハクが戻って来たのがよっぽど嬉しいのね」
「俺じゃなくて、あんたが風牙に来たのが嬉しくて仕方ねえんでしょうよ」
「ふふ」

暖かく優しい風の英雄を思い、ヨナはやわらかな笑顔を浮かべ瞑目した。それから、意を決したように瞼を上げ真っ直ぐにハクを見据えると静かに告げる。

「ムンドクに、会えるかしら?」
「ーー今ですか?」
「うん」

低く紡がれたハクの言葉に、彼女はこくりと頷くと唇を引き結んだ。先程までとは打って変わった真剣な眼差しに、ハクもまた正面から彼女の双眸を見詰め返す。

僅かばかりの無言の時が、周囲の空気の流れをも止めた。
まるで降り積もる雪のように部屋の冷気が折り重なり沈殿していく。

閉め切った筈の障子の外から真冬の大地が軋む音が微かに響き、閉じられた空間の静寂が痛いほど感じられた。


不可思議な沈黙に堪え兼ねたのか、徐に口を開いたのはハクの方だった。

「……あの人に今回の滞在の赦しを請うのは俺の役目でしょう」
「ううん、私が」

間髪入れずに切り返してきたヨナの真摯な眼差しと思いの外強い言葉尻に、ハクは渋い表情で暫し彼女を凝視した後、半ば諦めた様子で溜息と共に告げた。

「一応言っときますが、此処は風牙なんすよ。俺の立場も考慮して頂けませんかね」

ま、どうせ言っても聞きやしないんでしょうがね。
そう続け苦笑する、嘗ての風の部族長であるところの青年に向かいヨナもまた困ったように戯けて笑う。
気安い相手に向けられる砕けた笑顔。けれども彼女の双眸は真っ直ぐに青年を見据えたままだ。

「……忘れているかも知れないけれど、私はハクの主なのよ」

淡々と、けれど判然とした口調で紡がれたヨナの声音にハクは一瞬目を瞠り彼女の双眸を覗き込んだ。
けれど、やがて分かりましたと静かに答え、彼は凭れ掛かかっていた障子の傍の壁から身を剥がし部屋の外へと向かう。目的は言うまでもない。

彼女の言葉を主命と受け取った訳ではない。だが今更になって主従関係を強調するような言い方の中に彼女の強い意志を感じたハクはこれ以上の主張を放棄した。





話を通してきますからと言い置いて襖の奥に消えた青年の後姿を惜しむように、静かに閉じられた部屋の外へと意識を飛ばし、だがヨナは唇をきゅ、と引き結ぶと布団から起き上がり用意されていた装束に手を伸ばす。

「薄紅の襲……」

ぽつりと呟き、ヨナはゆるりとした動作で薄紅の絹を幾重にも纏っていく。

木綿の襦袢や絹の襲それぞれの滑らかな肌触りと細部にまで拘った丁寧な縫製は装束が上質なものであることを伺わせていた。
また、緋色の厚地に同色の糸で繊細な刺繍が施された上衣や、燻金と漆黒の絹糸で組まれた細帯はヨナの髪や瞳の色を変に目立たせず、しっくりと調和させている。

鏡に映る己の姿に、ヨナの表情がふわりと綻んだ。

ああ、多分この装束はムンドクが私の為に用意しておいてくれたものだ。彼は待っていてくれた。あの夜ーーハクと共に風牙を離れた時から、きっとずっと。

彼女の心に、雄大で暖かな一陣の風が緩やかに流れる。
優しく頬を撫でるようでいて、力強く背中を押すような。

それが何だか擽ったくて、ヨナは紫紺の瞳を細め零れるような笑みを浮かべた。





✴︎





久し振りに会えたその人は、とても、とても綺麗だった。

ずっと前、ハク兄ちゃんに連れられて屋敷にやって来た彼女は今と変わらず綺麗だったけど、何処か寂しそうで、すぐにでも消えてしまいそうで。
だけど今、俺を見て嬉しそうに笑う彼女は、雪の中で咲く紅い椿の花みたいだ。


そんなことを思いながら、襖の奥から己の視界に飛び込んできた紅い髪の懐かしい女性の凛とした佇まいに、少年は溢れ出る感情を隠そうともせず満面の笑みを浮かべ名を呼んだ。

「リ……ヨナ姫様!おかえりなさい!」
「ーーっ、テヨン。テヨンね?大きくなったわね!ああでも何て可愛いの……!」

ハクの代わりに、ムンドクの部屋に案内すると己を訪ねてきた、多分に幼さを残した少年の姿に過去の記憶の中の幼子が重なり、ヨナは感嘆の声を上げ少年に駆け寄った。
彼女の従兄や白龍の力を宿す青年、そして天才を名乗る仲間の幼少時代はきっとこんな風だったのだろうと思わせる、少女とも見紛うようなとびきりの美少年の姿に、思わず彼女の頬が緩む。

「元気にしていた?身体はもう大丈夫なの?」
「うん。有難う……姫様」
「やだ、ヨナでいいのよ!」

己の華奢な身体をぎゅうぎゅうと抱き締めながら喜びを顕にする、尊敬する兄が誰より何よりも大切に護り抜く女性に向かいテヨンは照れ臭そうに問い掛けた。

「ヨナ、ヨナはずっと兄ちゃんと一緒に、風牙に居てくれるんだよな?」
「ーーテヨン、私は」
「皆が言ってたんだ、ハク兄ちゃんがお嫁さんを連れて帰ってきたって。俺、兄ちゃんのお嫁さんがヨナで本当に良かったって、思って……」

けれど、テヨンが期待する返答がヨナの唇を震わせることはなかった。ぴくりと彼女の身体が震え、それからゆっくりと身が離される。
とても嬉しい筈のことなのに彼女から肯定の言葉が紡がれることはない。詰まりは、皆の噂も己の期待も只の噂であり期待に過ぎないと言うことだ。

子供ながらにテヨンはそう察し、少し躊躇いながら自分の姉になるのだと思っていた、白皙の美貌の主を縋るように見上げた。

「ヨナも、ハク兄ちゃんも、また何処かへ行っちゃうのか?」
「……分からない、わ」

不安気に己を見上げる、まだ幼さを残す少年に対しヨナはどうしても否と言い切れなかった。
数日間しか同じ時を過ごさなかったのに何故だか自分を慕ってくれる、ハクの弟。こんなに可愛い子に潤んだ瞳で見詰められたら堪らないーー望みを叶えてやりたくなってしまう。

困ったものだと、己の美形好きを幼馴染に散々揶揄されてきたことを思い出し、ヨナはふと苦笑を洩らす。
そういえば、ハクのことをそういう目で見たことってなかったわ。そもそも美形っていうのとは何か違う気がする。血の繋がりはないとはいえ、弟であるこの子はとびっきりの美少年なのに。

内心首を傾げながら、ヨナは少しでもハクの小さな弟の願いに近付けたならと思う。春までの滞在と考えていたけれど、もう少し延ばせないだろうか。彼が提案するように、業務の一部を移転してでもーー

「……ねえテヨン。ムンドクは何か言っていた?」
「ううん、何も。でも絶対じっちゃんは喜ぶよ!ヨナが兄ちゃんのお嫁さんになってくれたらーー」

瞳を輝かせて懸命に言い募るテヨンに、ヨナはそうね、と笑いながらムンドクの部屋への案内を促す。

「じゃあ、ムンドクの処へお願いに行くわ」
「本当?」
「ええ、本当よーーでも、私はハクのお嫁さんにはなれないの」
「どうして?」

所詮言葉の綾。紡がれた素朴な疑問には答えず、不思議そうな顔をするテヨンに向けてヨナは軽く肩を竦めてみせると悪戯めいた笑顔でこう告げた。

「だから、ハクが私のお嫁さんになれるようムンドクにお願いしてみるわね」





✴︎





からりと襖を開けるとその先に映し出されたのはがらんとした広い室内ーーそれから部屋の奥の障子の隙間から覗く雪景色。
華美な装飾を限界まで削ぎ落とした、広々とした空間。隅々まで手の行き届いた屋敷の庭園を、更にはその先に拡がる街並を一望するよう建築された、簡素に見えて贅を尽くした部屋だ。

胡座をかき障子の隙間から降り積もる雪を眺めていたこの部屋のーー否、屋敷の主は、開かれた襖の間を割って入った彼女の髪と同色の紅を基調とした風の部族の装束を纏うヨナの姿を視界に捉えると、その隻眼を僅かに細め髭で覆われた厳つい顔面に穏やかな笑みを浮かべた。

「これは姫様。旅の疲れが出てお休みになっていると聞き申したが、具合はもう良いのですかな?」
「うん……宴の準備の邪魔をしてごめんなさい。少し良いかしら」
「ははは、ご心配には及ばん。今頃はハクが儂の代わりをしておる」

朗らかな笑顔を見せるムンドクが告げた言葉に、ヨナは一瞬きょとんと瞳を見開き、それから可笑しそうに小さく吹き出した。

「ハクの為の宴の準備を、ハクがするの?」
「左様。まあ此処では良くあることでしてな」

姫様の為の宴でもあります故、奴が働くのは当然のこと。
そう言い切り豪快に笑う、愛情に溢れた彼の祖父へとヨナは改めて向き直りその正面に座す。しゃらり、と軽い衣擦れの音が乾いた冬の空気を震わせた。

「ムンドク、お願いがあるの」
「姫様が儂に?何ですかな」

笑顔のまま問われたヨナは姿勢を正し真っ直ぐに、祖父とも思ってきた初老の男を見据える。己を射抜くような彼女の真摯な眼差しと、紫紺の双眸に宿る意志の光ーー揺らめく紫焔を見出したムンドクもまた正面から、何時の間にか随分と大人びた表情を見せるようになった、孫娘のように慈しんできたヨナの姿を見詰めた。

僅かばかりの沈黙の後、凛とした声音が周囲に響く。

「ハクをーー貴方の孫を、私に下さい」

ヨナの真剣な表情と発せられた言葉に、今度はムンドクが目を瞠る番だった。
ひゃあ、などという妙な歓声がヨナの斜め後ろにちょこんと座っていたテヨンから上がり、一瞬言葉を失ったムンドクの耳朶を擽った。

「姫様……それは、そういった意味だと捉えて宜しいか」
「うん」
「ーーしかし、ハクはとうの昔から貴女様のものでしょうに……」

まさか姫様相手に、年頃の娘を持つ父親の如き気分を味わうことになろうとはーーいや、そもそも儂の孫は娘ではないのだが。

思いも寄らないヨナの『お願い』に気の利いた言葉一つ返せぬまま、高華一の武人と謳われるまでに鍛え上げた自慢の孫である筈の青年に対する、誇らしさと情けなさが入り乱れた感情がムンドクの胸中に去来する。
だがそんな葛藤にも似た彼の心中を知ってか知らずか、ヨナは自嘲気味に微笑んだ。

「ムンドクは今更って思う?でも、私はずっと迷ってた。そんな風にハクを求めてはいけないような気がしていたの」
「どうしていけないんだ?ハク兄ちゃんはヨナのことが大好きだから命懸けで護ってたんだって、だから兄ちゃんがヨナを連れて帰ってきて良かったって皆が言ってる。なのに何でーー」

少し寂し気な色を纏うヨナの言葉を遮るように、横からテヨンが疑問と焦りを滲ませ言い募る。眉を顰めそれを咎めようと口を開き掛けたムンドクを制し、ヨナはちらりと背後を振り返ると紫紺の瞳をやわらかく細め、そうねと笑った。

「私もハクのことが大好きよ。でも、私は何時だってハクに沢山のものを与えて貰ってばかりで何も返せていなかった。それがとても辛くて、嫌だったの」
「そんなこと……」
「でもね」

それからヨナは再びムンドクに向き直り視線を合わせた。髭に覆われて表情は分かり難いけれど、己を見詰める瞳の色はとても暖かく慈愛に溢れている。

沢山の愛情を惜しみなく与えてくれた貴方にも、私は何も返せずにいた。だけど。

「私にも、あの人に与えることができるものがある。それにムンドク、やっと貴方にも恩返しができるわ」
「ーー姫様、それは……」
「うん」

何かを察した様子のムンドクの目に、少し照れたような、けれどとても嬉しそうなヨナの表情が映し出される。何の憂いもない彼女の笑顔を見たのは何時以来だろうかと、彼は懐かしい日々へと思いを馳せた。脳裏に浮かぶのは将軍として登城していた頃の記憶ーー緋龍城を駆け回る幼子達の眩しい笑顔。

「晩夏の前には、ムンドクの曾孫が産まれるわ」
「何と……」
「赤ちゃん?ヨナ、赤ちゃん産むの?」
「ええ」

きらきらと瞳を輝かせるテヨンと、潤んだ双眸を細めるヨナの姿を見遣りながらムンドクが思い描いたのは未だ見ぬ曾孫の姿ではなく、手塩に掛け育て上げた孫の紺青の瞳。

晩夏の前ーー儂が、快晴の夜の海のような深い群青色の瞳と初めて出会ったのも、真夏だった。

「盛夏……それは良い。儂には忘れ得ぬ季節じゃ」

何処か遠い眼差しで、噛み締めるような口調でしみじみと告げるムンドクに、じっちゃんは夏が好きなのか?とテヨンが首を傾げた。
返答の代わりに大きくごつごつとした掌が少年の頭上にぽん、と乗せられるのを眺めながらヨナはぽつりと呟くようにムンドクの科白を反芻する。

「忘れ得ぬ……」
「儂がハクを授かったのも、晩夏の前でしてな。あの日の喜びは何年経っても忘れられません」

授かった、との表現に彼のハクに対する限りない愛情が感じられ、微笑みを浮かべたヨナの紫紺の瞳が知らず潤み、微かに揺れる。

勿論、テヨンを授かった日のことも忘れてはおらんぞと豪快に笑いながら、ムンドクは改めて孫娘とも思い見守り続けてきた、夏には母親になるという白皙の美貌を眺め遣る。
何と尊く美しい笑顔なのだろうかと、知らず息を洩らす彼の脳裏を今は亡き主君の柔和な笑顔が過り、やがてその輪郭が朧と消えていった。





✴︎





「ハク兄ちゃんはヨナのお嫁さんになるんだよな!」

宴の準備も終わり、広間の前の外回廊に適当に腰を下ろし揃って雪景色を眺めていた、ハクとハクの弟分であり現在部族長を務めるテウ、同じ弟分であるヘンデの側に駆け寄り様、無邪気な笑顔で突然テヨンが爆弾を投下した。

「ハク様、嫁って何その憐れな感じ」
「ちょ!俺こんな嫁イヤだ!ヨナさんお気を確かに〜」

申し訳程度に笑いを堪えつつ、揶揄どころではない物言いをする二人に対し返礼とばかりの蹴りを入れ、ハクは顔を引き攣らせながらテヨンへと向き直った。

「へーえ、そりゃあ凄え。ってか誰がンなこと言った?」
「ヨナ!」
「……姫さんかよ」
「兄ちゃん、赤ちゃんが産まれたら俺、ちゃんと面倒見るからな!」

やっぱりあの人に任せるんじゃなかったと肩を落とし、盛大な溜息を洩らすも時既に遅し。更なる爆弾発言にハクの弟分達が此処ぞとばかりに食い付いた。

「えっマジ?ハク様の子供?」
「もしかしてハク様が産むの?」
「あっ、だから『お嫁さん』?」
「ぎゃはは!さっすが雷獣!ハク様ホント万能っすね」
「……てめーら後で覚えとけよ」

取り敢えず弟分達を威圧して黙らせ、ハクはちらりとユンをも凌ぎそうな、今だ幼いけれども端正なテヨンの貌を視界に映す。

非常に不本意ではあるものの、嫁どうこうには触れずに置こう。だがこれは……春か、最悪秋には戻れるのか?
どうせ大方、美形だの美少年だのに滅法弱い姫さんがテヨンの『お強請り』に負けちまったんだろうが。

「……仕方ねえな。おい、若長」

眉を寄せてぼそりと独り言ち、ハクはテウを敢えて長と呼ぶ。

「へ?どしたのハク様ーーあ、もしかしてまた部族長やりたい?いやあ俺、長はともかく将軍って面倒臭いし出来れば今すぐ代わって欲しいんですけど」

へらりと笑うテウの言葉を丸々無視してハクは続けた。

「世話になる代わりに、春になったら儲け話させてやるよ」
「えっ、でもハク様自分の儲けのことしか考えないよね絶対……」

不信感丸出しのテウを一瞥するとハクは少々詰まらなそうに、話し相手は俺じゃねえよと告げ、滲む淡墨の空を見上げる。
一向に止む気配のない粉雪は、風牙の街並を只淡々と無彩色に塗り潰していた。

「ーーまた、賑やかになるな……」

ぽつりと独り言ち、それからハクはゆっくりと紺青の瞳を閉じる。

降り積もる一面の雪が融け、風牙に暖かな風が吹く頃には。
慣れ親しんだ街並に、鮮やかな龍達の色彩がきっと加わる。

艶やかな極彩に溢れる夏の終わりには、またひとつ新しい色が生まれるだろう。


願わくば、その色があの人と同じ輝きを放つものであるといい。



そんなことを取り留めもなく思い、ハクは口元にやわらかな笑みを浮かべた。










『en』
いつまでも僕たちが 笑っていられますように。















ハク生誕祭2015用SS。
一応『GOLD』の延長線上のつもりで。

あっ大遅刻です。何せ書き始めたのが7日というね 笑

誕生日に自分の子供が産まれたらプレゼントになるかなと思ったり。
そもそも誕生日って本人の為のものじゃなくて近親者、特に直系尊属のものだよねえと思ったり。
結局は姫とじっちゃんによる「お父さん!娘さんを僕に下さい( ー`дー´)キリッ」(直訳 笑)な寸劇を書きたかった訳ですけど。



何だかハクが総受ぽくなってしまった……
ま、御祝いだからいっか 笑




テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

色々滞ってます(´-ω-`)

ちょっとリアル方面が立て込んでおりまして、ブログ関係が滞っております。
あ、いや別に深刻な感じじゃないんですけど。

メール返信やパスご請求、対応出来てなくてごめんなさい。
今週中には……!

あっあとハク誕です。
ハク誕って何時ですか?3日前?4日前?
大遅刻どこじゃないですね。いっそスルーすべきでしたね。

いえですね、ハク誕当日の2日前に急に書きたくなったもので_(:3 」∠)_
結局まだ書き上げてないという有様ですが、まあ別にハク誕でなくともいいんじゃねって内容なのでしれっと上げる予定です。


あっ忘れてた!ハク様お誕生日おめでとうございました〜


テーマ : 今日のつぶやき。
ジャンル : 日記

とどろけ歓喜の歌を 踊ろうぜ幸運の

ヨナに合う、というか合っていて欲しいと願うナンバーの、歌詞の一部。
あ、勿論B'zですよビズヲタなんでね私 笑


それはそうと、本誌読みました。
ネタバレはしませんけど、ハクヨナの可愛さと尊さに私のふざけた妄想をドブに捨てたい衝動に駆られております。

B'zのナンバーに『誰にも言えねえ』というのがありまして。
以前からヨナハクソングだとニヤニヤしながら聴いていたのですが、今回の本誌読みながら聴いたら似合い過ぎててヤバかった!あ、でも歌のノリがアレなので尊さは半減しますΣ(ノ≧ڡ≦)てへぺろ


B'zのナンバーは、私的にハクヨナが少ない。あんだけ曲数あるのに(´・ω・`)
でもヨナハクの宝庫なのです。てかハク受けの宝庫!あくまで個人の感想ですが←

ハクヨナといえば稲ソロ!あれもまたヤバいです( º﹃º` )
毎日妄想滾らせながら聴いてます。

テーマ : 今日のつぶやき。
ジャンル : 日記

雷獣と子雷獣!

うふふふふふふ。

雷獣親子です。
貴重な私のオン&オフ友が描いてくれました!

可愛いです。
癒されます。
雷獣氏が、立派にパパやってます。

何このイクメン!
(子育てスキル高そうですね……)




香さん作雷獣親子





イラストを描いてくれた香さん、良き相談相手であり萌え友であり車仲間でもあり。
めっちゃキュートで、バリキャリで、でも実は某祭典3日目で薄い本出したらすげえ売れそうな絵を描くという、とんでもないギャップ萌えの人。

有難う香さん!大好き(*ノ∀`*)
また遊ぼうね〜

テーマ : イラスト
ジャンル : アニメ・コミック

はちみつの日ですってよ( º﹃º` )

8月3日ははちみつの日。言われてみれば確かに!

はちみつといえばハクヨナ。ハクヨナではちみつ……
私の残念な頭では鍵付方向にしか妄想できません(・∀・)


今回ハクヨナ繋がりということで、ハクヨナ絵を上げてみます。
ここハクヨナばっか書いてるブログじゃん!とのツッコミは無しの方向で 笑

相変わらず貧弱なお絵描き環境ですが、先日スマホにお絵描きアプリ入れました!
おかげで厚塗りチャレンジ出来ました!すっごい時間掛かりますけどね……





肌色多めです。
鍵付けるレベルではないのでそのままで失礼Σ(ノ≧ڡ≦)
(といいつつ一応下げる私 笑)















厚塗り練習絵



テーマ : 自作イラスト
ジャンル : アニメ・コミック

プロフィール

月桜キキ

Author:月桜キキ
月桜キキと申します。
数年振りに二次創作の世界に出戻って参りました。普段はしれっと会社員やってます。

暁のヨナ、聖闘士星矢(無印)を中心に、他ジャンルも時々。
NLBL混在しますのでご注意!

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