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ヨナハクss 『soulstation 2』 微妙に如何わしい。もめ雄さんオーダー品の続き。


自らが解いた組紐をちらと見遣り、これだけじゃ足りないわね、と独り言ちたヨナは帯を飾る同色の組紐の端をもうひとつ摘み上げると、先程と同じように慣れた手付きで繊手の中に巻き取っていく。

「ーー陛、下?」

ヨナの手馴れた所作を、ハクは今まで何度も目にしていた。彼女の居室の寝台の隅に腰を下ろし、器用なもんだなとその様子を感心しつつ眺めていたーー脳裏を過ぎる映像は、けれども眼前のものとは比べようもない程に甘やかで、彼のこころと欲を擽るような光景だった。
だが、玉座に腰を下ろしたまま主を見詰めるハクが感じているのは蕩けるような甘露でも身を震わせる熱でもない。彼の背筋を駆け上がるのは、ざらりとした不快感にも似た戦慄だった。

眉を顰め己を伺い見る青年に向けて、女王はこの上なく鮮烈で酷薄めいた微笑を浮かべる。

「黙りなさい」

まるで睦言を囁くように、密やかに謳うように命じ、ヨナは一歩前へーー玉座に腰を下ろすハクの膝に触れるところまで足を踏み出す。
彼女の挙動に合わせ、胸元を幾重にも飾る黄金造りの豪奢な首飾りがしゃらり、と軽快な金属音を立てて、揺れた。

「ハク、そのままで」

咄嗟に身動ぐ青年を制し、ヨナは真っ直ぐに己を見据える紺青の双眸へと視線を合わせた。
白皙の美貌にやわらかな笑みを浮かべたまま視線を絡ませ、紫紺の内に燭台の灯を仄かに纏わせた、黎明の空のいろを思わせる瞳をふと細めるーーそのさまは、妖艶としか喩えようのないものだった。

「何をーー」
「だから、遊びましょうよ」

ざわざわとした、不安にも似た焦燥に支配されながらも眼前の女王の蠱惑的な仕草に情欲という名の焔が燻り出す。その自らの有りさまに胸の内で舌打ちしつつ、ハクは剣呑な眼差しを己の主へと向けた。

「ハク」

男の身の内の葛藤を見透かしたかのように、ヨナはたったふた文字の寵臣の名を唇へと乗せ、玉座の肘掛けの上の彼の手首のあたりへとそっと自らの掌を乗せた。
それから、手の内に納めていた極彩の組紐をハクの手首の上にそれぞれ置くとそれを支点に垂らしていく。組紐は重力に従いその両端は大理石の床へと音もなく滑り落ち、無機的な印象の冷たい玉座の袂にささやかな彩りを加えた。

「あんた……」
「動いてはだめよ、ハク」

怪訝な表情を顕に己の手首を凝視するハクに向けてヨナはふふ、と悪戯めいた笑い声を上げた。それから玉座の前にしゃがみ込み、彼の手首の上に乗せた組紐を肘掛けごとするすると巻き付けていく。
女の手で気紛れに施された縛めなど、男にはーー増してや雷獣の銘を戴く武人にとっては本来何の気休めにもならない。だが、それを施した者が他ならぬ、彼にとり唯一無二の主である女王であるという歴然とした事実が青年をそのこころごと捕縛していた。

「……少し冗談が過ぎませんかね、陛下」
「冗談なんかじゃないわ、遊びよ」

婉然とした微笑を湛え女王が告げる。
戦慄と陶酔、焦燥と高揚感が綯交ぜとなった青年のこころを掻き立てるように。

「女王の寵臣の、役割はなぁに?」
「……あんたを、護ることだ」
「それは『雷獣』の役割でしょ?今のお前はーー私の遊び相手なのよ」

じくりと疼く胸の痛みを抑え込んで、ヨナはくつりと喉を鳴らした。違う。本当はそんなものは望んでないのに。

私は、この高華国の王だ。
王は孤独を、孤独と思ってはいけないのだ。

父上のように、スウォンのようにーー緋龍王のように。

家族は国を護り発展させるための駒。
恋人は慰めの道具。

王が愛するのは、国そのものであるべきだ。そうでなければ、私は簡単に玉座から滑り落ちてしまうだろう。

「ーーあんたは何を、考えている?」
「どうやって遊ぼうかしら、って」

見透かされているのかいないのか、探るような眼差しを向けてくる青年から逃れるように視線を逸らして、ヨナは己の指先をそろりと伸ばし青年の胸元の袷へと触れた。
指先から布越しに僅かな彼の身の震えが伝わり、彼女はまた喉を鳴らす。

何を考えているか、そんなことを伝えるつもりなどヨナにはない。
先ほど、玉座に腰を下ろした青年は平然としていた。それが彼の生まれ持った資質故なのか、王座を望まない故にそれが他人事であるからかは分からないが、何れにせよ僅かばかりの重圧も感じていない様子の男に一体何を伝えろというのだろう。

諦観を微笑で隠し、ヨナは漆黒の長衣の袷をなぞるように緩めると覗く胸元へと指先を這わせた。
途端、ぴくりと身動ぐ青年の姿に己の背筋をぞわりとしたものが駆け上がるのを感じる。この感覚がもっと欲しいと彼女は思った。後で虚しくなるかどうかなんてそんなことはどうでもいい。

「ーーっ、陛、下ーー」
「ふふ、我慢しなくていいのよ?」

胸元を這い回るぞわりとした感触に息を詰め、苦しげに眉を寄せるハクの耳朶に掠めるような口付けを落とし、ヨナは囁くように命じた。

「もっと、啼いて……?」

睦言同然の主の命は、形ばかりの縛めも手伝ってハクの全身に波紋のように拡がっていく。苦しげに抑えた呻き声は、やがて甘やかな吐息と交じり合い低い旋律を広間へと幽かに響き渡らせた。

「ーーっ、は……!」
「……きもちいい?」

自らの指先を追うように、顕になった鎖骨から胸板へと唇を落とし舌で辿る。
幾度もそれを繰り返すうちに、硬く張り詰めた男の胸が震えを帯びながら上下しだした。荒く浅い呼吸がヨナの耳朶を擽り、彼女の内に潜む乱暴な欲を否応なしに掻き立てていく。

今すぐにでも暴き立て、いっそ弄ってやりたくなる自らの衝動を牽制するように奥歯を噛み締め、女王は努めて悠然と、艶やかでいながら涼しげな笑みをその白皙の美貌に刷いた。

「もっと声、聴かせて……?」

聴き慣れたはずの、だが今まで聴いたことのないほどに低く抑えた声音は、電流にも似た衝撃へと形を変えてハクの背筋から指先に至るまで、まるで彼のすべてを塗り替えるかの如く隅々まで伝播していく。己の内に拡がる未知の感覚を、知らぬが故に拒むことも止めることもできぬまま、ハクは何処か定まらない思考の中で主の言葉を反芻した。

よくある、情事の常套句だと思った。
自分とて女王の褥で囁くこともある、使い古された互いの情動を煽る科白。

そこから導き出される熱は酷く甘美で、昂る焔を存分に煽るものだった。だが、そうして得られた情動を遥かに凌ぐ未知なる感覚がまさに今、荒れ狂う波の如く己へと遅い掛かってくるーーそして、雷獣と呼ばれる男はそれを甘受する他に術がなかった。

女王の白い指先が、円い唇からちろりと覗く舌先がハクの完璧なまでに引き締まった躰の線に、せり上がる筋肉の継目に沿ってゆるりとした速度で幾度も行き来する。常ならば感じるだろう擽ったさはなりを潜め、代わりに与えられるぞわりとした快感に粟肌が立つ。
燭台の灯の仄かな朱に照らされて、てらてらと光る己の肌が視界にちらつくのを認めたハクは咄嗟に顔を背けた。

「ーーねえ、恥ずかしいの?」

寵臣の新鮮な反応に、ヨナはちらりと視線を上げて問い掛ける。その美貌に刷かれた笑みはこの上なく蠱惑的で、そして酷薄めいたものだった。

「……恥じらってでもほしいんすか?」
「別に」

悪趣味っすね、との精一杯の悪態に別段怒るでもなく、ヨナは再び男の胸板へと唇を寄せた。胸の下に横に走る傷痕に舌を這わせ、それから厚く盛り上がった胸の頂を口に含む。

「ーーッ!」

男にとって全くの無意味であるように見えるささやかな突起は、それが女の名残であるとでもいうのだろうか、女王の唇に吸われその小さな舌でなぶられるとやがて硬く勃ち上がった。飴よりはやわらかく果実よりは硬い、珍しい触感がヨナの舌先に伝わり彼女の興を一層呼び覚ましていく。
口内で転がすようにしながら軽く歯を立てると、逞しくしなやかな猫科の肉食獣を思わせる男の躰がびくりと跳ね上がった。

厚い胸板の上で密やかに存在を主張する小さな突起は、自らを翻弄する生暖かくぬらりと濡れた舌の感触を余すところなく感知する。初めて体験する鋭い刺激に耐え切れずにいるハクの、苦しげに噛み締めた唇の僅かな隙間を縫って洩れ出る、遥か遠くで唸る雷鳴の如き低い呻き声がヨナの耳朶を擽るように掠めた。

硬く張り詰めた胸板ごと小さな突起を口に含み吸い付かせながら、ヨナはちらりと視線を上げて玉座に縛り付けた男の、端正でいながら精悍な貌を眺め遣る。苦痛と快感が綯交ぜになったような、酷く切なげに何かを堪えるようなハクの風情は、普段彼女を抱くときに見せる表情に似ているようで似ていない。

女王の背筋を、ぞわりとした戦慄が稲妻のように伝い落ちる。

知らず、こくりと喉を鳴らす彼女の瞳は昏く深い闇にも似た焔を宿す。映し出すすべてへとその焔を置き去りにするというのか、ヨナはゆるりとした動作でーー薄く開かれた男の双眸を、きつく引き結ばれた唇を、僅かに上気した頬を、しっとりと汗ばんだ首筋を、厚く盛り上がった肩をひとつひとつ辿り、そして自らの視線を指先で追っていた。
そして自らが置き去りにした焔の欠片を拡げるように、そろそろと撫ぜていく。

「気持ち、いいの……?」

指先を動かす度にぴくりと震える肌と幽かに響く、くぐもった低い呻き声に否応なしに煽られた女王は、ハクの胸板に埋めていた白い美貌をのろのろと擡げ、もう一度くつりと喉を鳴らした。

絡み合う視線の先に見えるのは艶を孕んだ男の表情。
それは見慣れたようでいて初めて目にする、困惑と戸惑いと僅かな怒りと焦燥とーーそれから情欲に満ち満ちたーー

「……っ、知らね、えーー」
「ふふ、可愛いわね……お前」

素直じゃないんだから、と笑いながらヨナは己の手で男の装束の袷を完全に寛げると、引き締まった腹部へと指先を滑り落とし長衣と同様漆黒の布地で誂えた下穿きの帯紐を躊躇うことなく引き解いた。
しゅるりと乾いた音を立てて玉座の隅に追い遣られた、金糸銀糸をふんだんにあしらった黒く平たい帯紐は蜥蜴のような独特の素早さで女王の足元へと隠れていく。

「ーー気持ちいいのね?」

意識してかどうなのか。そうであるなら自身に向けてのことなのか相手へのものなのか。
燻る熱を拡げるようにゆっくりと焦らすように、ヨナは両手で以て緩んだ男の下穿きを引き下げると小さな吐息をほう、と洩らす。

苦しげな呼吸と共に上下する厚い胸板にひっそりと残された女の名残と同じように、硬く勃ち上がり存在を主張する男の象徴が女王の双眸に映し出された。
震える先端を撫でるように、そっと指先で触れれば容易く洩れ出る意味を為さない低音が女王の躰をちりちりと燻す。

甘い吐息をひとつ、闇に溶かして。

白い美貌に夢見心地ともいえるうっとりとした微笑を浮かべ、ヨナは自らの存在で捕縛した男の名を濡れた円い唇に乗せた。














『soulstation 2』
何てくだらない世界にしてしまったんだろう
君をだいなしにしてまで















オーダー品なのに暗くてどろどろしててすみません。
かわいくなくてすみません。如何わしくてほんとすみません。

パスはまあいいかなって。ギリギリ。


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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

月桜キキ

Author:月桜キキ
月桜キキと申します。
数年振りに二次創作の世界に出戻って参りました。普段はしれっと会社員やってます。

暁のヨナ、聖闘士星矢(無印)を中心に、他ジャンルも時々。
NLBL混在しますのでご注意!

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