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リハビリsss『灯火』 ハクヨナ風味。

澄み渡った冬の空は、何処までも青く 青く。




荒れた大地を支配する凍てついた空気は、身に纏った外套から覗く頬を撫ぜ容赦無く熱を奪い、乾いた風が痛い程の緊張と殺気を彼方から運び、馬上で佇む私の肌を刺す。

ひゅう、と音を立てて息を吸うと、喉から冷気が流れ込み、その感触に小さく身体が震えた。


周囲を見渡せば、只横たわるばかりの荒野。その遥か先に、目指すものがある。


居る、と黄金の瞳が淡々と告げた。

その視線を追い目を凝らす。何も視えない。視えないが居る、と思った。幾多の兵の背後に控える黄金の冠。あのひとは確かに其処に居る。


皆に気取られぬよう密かに唇を咬み居住まいを正した。だが、共に馬上に在る幼馴染には全て伝わって居るのか、彼もまた同じ胸中なのか、或いはそのどちらもなのか。
私が落馬しないため、護るように腰に廻されていた左腕に力が篭る。
背後から抱き竦められた格好に心臓が、跳ねた。

頬から奪われた熱が燈る。こんな時なのに正直なものだと可笑しくなり、ふ。と息を吐いた。


力強く廻された、ひとまわりもふたまわりも大きな彼の手の甲に己の指先をそっと這わせてみる。
硬く骨張って、それでいてしなやかな彼の手は、傍に在るだけで私を安心させるのだ。

けれど、今は。


(指先が、熱いわ)


彼に触れた指先を離し、一瞥すると私は厳寒の空を見上げた。

透き通る空は残酷な程、青く何の翳りもない。



(この男を護るため、私は武器をとった)

(その気持ちは今も変わらない。この男を護るためなら、私は弓を引くだろう)



それはまるで、絶望を映し出す鏡のように。


(例えその相手が、あのひとであったとしても)







横たわる絶望の中、あなたに触れた場所だけが、熱い。












『灯火』
あなたの傍は暖かい。



リハビリにsss。
色々アレですが、数年振りの二次記念にアップ。
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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

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プロフィール

月桜キキ

Author:月桜キキ
月桜キキと申します。
数年振りに二次創作の世界に出戻って参りました。普段はしれっと会社員やってます。

暁のヨナ、聖闘士星矢(無印)を中心に、他ジャンルも時々。
NLBL混在しますのでご注意!

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